□■□■鎌倉の散歩道■□■□
□■雪ノ下■□
古都・鎌倉の中心に位置する鶴岡八幡宮、その表参道にあたるメインストリートが若宮大路である。その大路の中央に威容を見せる二ノ鳥居から三ノ鳥居にかけて、美しい段葛が続いている。この段葛を歩きながら、木々の合間から大路沿いの家並みを垣間みるのも楽しい。
三ノ鳥居をくぐると八幡宮の境内で、名物の煎り銀杏などの露店が出てにぎやかである。広い境内のわりに思いのほか狭い階段を上りつめると朱塗りの本殿である。初詣や七五三の時など、大勢の参詣の人たちで大変な賑わいを見せる。
この表参道と交差する道がかつての鎌倉街道である。ここは流鏑馬が行われる道でもあり「流鏑馬道」とも呼ばれる。八幡宮の境内でありながら、観光客の喧騒から離れたこのあたりには静寂に包まれた雰囲気が漂う。
境内を出て雪ノ下の閑静な住宅街を進むとほどなく、大倉幕府が置かれたあたりで、今では清泉女学院となっている。このあたりから鎌倉宮にかけても生け垣や板塀の美しいお屋敷などが多く、落ち着いた風情が感じられる一帯である。
鎌倉宮を後に二階堂川に沿った谷戸をたどっていく。緑に囲まれた静かな道をしばらく進んでいくと、やがて花の寺としても知られる瑞泉寺に至る。早春に訪ねると、水仙と梅の花の中に浮かぶ本堂の甍がことのほか美しい。そして、その風景ばかりでなく、香りも楽しめるところである。
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