□■□■鎌倉の散歩道■□■□


□■長 谷■□


大仏長谷と言えば、まずは鎌倉のシンボルとも言うべき大仏である。鎌倉駅から長谷へ向かい、由比ガ浜大通を進む。この道は、長谷観音の名で親しまれている長谷寺の参道に当たる。この参道沿いには鎌倉彫りの店をはじめ白壁が美しい城郭のような店や鎌倉らしい落ち着いた民家などの家並みが続き、歩いていても楽しいところである。
この途中でちょっと寄り道をして鎌倉文学館に向かう。大通りを右に折れると、これまで多くの文人たちに愛されてきた静かな住宅街が広がる。鎌倉にゆかりのある川端康成や吉屋信子の記念館もこのあたりに集まる。そして緑に包まれた坂を登りつめると、そこが「鎌倉文学館」である。ここはもともと旧前田侯爵邸であり、現在は昭和初期に建てられた美しい洋館が周囲の自然に見事に調和した光景を見せてくれる。ここで鎌倉文士たちの足跡をたどりながら、しばし時を忘れた後、再び大通りへともどる。
長谷寺が近づくにつれて参道沿いには意匠を凝らした旅館なども見られるようになる。ここから長谷寺の石段を上っていくと鎌倉の海が一望できる素晴らしい眺望が開けていく。境内の展望台に立つと光る海を背景として連なる家並みの甍が美しい。
長谷寺の隣りには、花の寺としても知られる光則寺がある。特にカイドウの花が有名で、均整のとれた本堂と古木の調和が絶品である。
ここまで来れば大仏は目前である。緑に囲まれた露座の大仏には、なぜか不思議な暖かみが感じられる。

「鎌倉の散歩道」のTop Pageへ戻る


Takagi's World Top Pageへ戻る