□■□■鎌倉の散歩道■□■□

□■極楽寺■□

極楽寺は、江の電がよく似合う町である。
極楽寺の駅をおりると、ホームから寺の山門がすぐ前に見える。茅葺きの山門をくぐると木立ちに囲まれた美しい参道が続いている。数年前、テレビドラマの影響で、このあたりに多くの観光客が殺到したが、今ではそれも落ち着き、かつての趣きのある静かな境内のもどりつつある。
鎌倉もこのあたりまでくると茅葺きの民家なども残り、のどかな風情が漂う。駅の周囲も風致地区に指定され緑も多い。
ここから南に向かい、海に出ると稲村ヶ崎に至る。
江の電は、駅から反対に鎌倉へ向け沿線唯一のトンネルにかかる。一方、道は極楽寺坂を登り、極楽寺の切り通しを抜けていく。
極楽寺坂の頂上にはあじさいの花が美しい成就院がある。この参道あたりから見渡す由比ガ浜の光景は明るく、素晴らしい。
極楽寺坂を下り、やがて黒板塀の民家などが見られるようになると、ほどなく長谷の町並みである。
ところで、最初に江ノ電がよく似合う町と書いたが、最近は江ノ電の車両の方が近代化が進み、しだいに周囲の風景に馴染まなくなってきているのは、ある意味では残念なことである。

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